ちょっといまさらって感じですが、はてな界隈で話題になっていたので。
アニオタが非オタの彼女にアニメ世界を軽く紹介するための10本
まあ、どのくらいの数のマンガオタがそういう彼女をゲットできるかは別にして、
「オタではまったくないんだが、しかし自分のオタ趣味を肯定的に黙認してくれて、
その上で全く知らないマンガの世界とはなんなのか、ちょっとだけ好奇心持ってる」
ような、ヲタの都合のいい妄想の中に出てきそうな彼女に、マンガのことを紹介するために見せるべき10本を選んでみたいのだけれど。
(要は「脱オタクファッションガイド」の正反対版だな。彼女にマンガを布教するのではなく相互のコミュニケーションの入口として)
あくまで「入口」なので、時間的に過大な負担を伴う30巻、40巻のマンガは避けたい。
できれば短編マンガ、長くても20巻台にとどめたい。
あと、いくらマンガ的に基礎といっても古びを感じすぎるものは避けたい。
マンガ好きが『鉄腕アトム』は外せないと言っても、それはちょっとさすがになあ、と思う。
そういう感じ。
彼女の設定は
マンガ知識はいわゆる「少女マンガ」的なものを除けば、ジャンプ黄金期程度は読んでいる
サブカル度も低いが、頭はけっこう良い
という条件で。
まずは俺的に。出した順番は実質的には意味がない。
北斗の拳(原作・武論尊 作画・原哲夫)

まあ、いきなりここかよとも思うけれど、「北斗の拳以前」を濃縮しきっていて、「北斗の拳以後」を決定づけたという点では
外せないんだよなあ。長さも27巻だし。
ただ、ここでオタトーク全開にしてしまうと、彼女との関係が崩れるかも。
この情報過多な作品について、どれだけさらりと、嫌味にならず濃すぎず、それでいて必要最小限の情報を彼女に
伝えられるかということは、オタ側の「真のコミュニケーション能力」の試験としてはいいタスクだろうと思う。
あずまんが大王(あずまきよひこ)、エマ(森薫)

アレって典型的な「オタクが考える一般人に受け入れられそうなマンガ(そうオタクが思い込んでいるだけ。実際は全然受け入れられない)」そのもの
という意見には半分賛成・半分反対なのだけれど、それを彼女にぶつけて確かめてみるには
一番よさそうな素材なんじゃないのかな。
「マンガオタとしてはこの二つは“キャラクター”としていいと思うんだけど、率直に言ってどう?」って。
ARMS(原案協力・七月鏡一 作画・皆川亮二)

ある種のSFマンガオタが持ってる科学への憧憬と、七月鏡一原案協力のオタ的な考証へのこだわりを
彼女に紹介するという意味ではいいなと思うのと、それに加えていかにも皆川亮二な
「少年誌的なカッコよさ」を体現する高槻涼
「少年誌的に好まれる女」を体現する赤木カツミ
の二人をはじめとして、オタ好きのするキャラを世界にちりばめているのが、紹介してみたい理由。
鋼の錬金術師(荒川弘)

たぶんこれを見た彼女は「これって映画やってたよね」と言ってくれるかもしれないが、そこが狙いといえば狙い。
この系譜の作品がその後続いていないこと、これがアメリカでは大人気になったこと、
アメリカなら実写映画になって、それが日本に輸入されてもおかしくはなさそうなのに、
日本国内でこういうのがつくられないこと、なんかを非オタ彼女と話してみたいかな、という妄想的願望。
ロケットマン(加藤元浩)

「やっぱりマンガは子供のためのものだよね」という話になったときに、そこで選ぶのは「ドラえもん」
でもいいのだけれど、そこでこっちを選んだのは、この作品にかける加藤の思いが好きだから。
月刊少年マガジンで描きに描いてそれでも10巻、っていう尺が、どうしても俺の心をつかんでしまうのは、
その「自分が小、中学生の頃読みたかった話を描きたい」ということへの諦めきれなさがいかにもオタ的だなあと思えてしまうから。
ロケットマンの長さを俺自身はちょうどとは思わないし、もう描けないだろうとは思うけれど、一方でこれが
ジャンプやサンデーだったらきっちり打ち切りにしてしまうだろうとも思う。
なのに、各所に取材に出かけて世界中をかけまわる物語を作ってしまう、というあたり、どうしても
「自分の物語を形作ってきたものが捨てられないオタク」としては、たとえ加藤がそういうキャラでなかったとしても、
親近感を禁じ得ない。作品自体の高評価と合わせて、そんなことを彼女に話してみたい。
レベルE(冨樫義博)

今の若年層でレベルE見たことのある人はそんなにいないと思うのだけれど、だから紹介してみたい。
HUNTER×HUNTERよりも前の段階で、冨樫の哲学とかマンガ技法とかはこの作品で頂点に達していたとも言えて、
こういうクオリティの作品がジャンプでこの時代に連載されていたんだよ、というのは、
別に俺自身がなんらそこに貢献してなくとも、なんとなくマンガ好きとしては不思議に誇らしいし、
いわゆる幽☆遊☆白書でしか冨樫を知らない彼女には見せてあげたいなと思う。
ヴィンランド・サガ(幸村誠)

幸村の「遅筆」あるいは「絵づくり」をオタとして教えたい、というお節介焼きから見せる、ということではなくて。
「連載が終わらない作品のために毎日生きる」的な感覚がオタには共通してあるのかなということを感じていて、
だからこそ幸村誠版『ヴァイキング叙事詩』の連載はアフタヌーンに移って本当によかったと思う。
「まだ見ぬ良作を読むために日常を生きる」というオタの感覚が今日さらに強まっているとするなら、その「オタクの気分」の
源はヴィンランド・サガにあったんじゃないか、という、そんな理屈はかけらも口にせずに、
単純に楽しんでもらえるかどうかを見てみたい。
殺し屋1(山本英夫)

これは地雷だよなあ。地雷が火を噴くか否か、そこのスリルを味わってみたいなあ。
こういうSM風味の恋愛をこういうかたちでマンガ化して、それが非オタに受け入れられるか
気持ち悪さを誘発するか、というのを見てみたい。
デスノート(原作・大場つぐみ 作画・小畑健

9本まではあっさり決まったんだけど10本目は空白でもいいかな、などと思いつつ、便宜的にDEATH NOTEを選んだ。
北斗の拳から始まってDEATH NOTEで終わるのもそれなりに収まりはいいだろうし、ラッキーマン以降のガモウひろしの先駆けと
なった作品でもあるし、紹介する価値はあるのだろうけど、もっと他にいい作品がありそうな気もする。
というわけで、俺のこういう意図にそって、もっといい10本目はこんなのどうよ、というのがあったら
教えてください。
「駄目だこいつ・・・はやく何とかしないと」というのは大歓迎。
こういう試みそのものに関する意見も聞けたら嬉しい。